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 『ロボコップ』(2014)は、有名なヴァーホーヴェン版のリメイク。オリジナルには及ばないけれど、なかなかおもしろかった。もともとの設定をずらしながら現代風にアレンジしているところに好感を持てた。
 たとえばオリジナル版では、機械は不完全だから人間の心を流用するためにロボコップが誕生したと記憶しているが、リメイク版では機械は完璧なものだけれど世間はそれを認めないから、宣伝効果として人間の部分を残したロボコップが必要とされている。そうした社会批判めいた部分はサミュエル・L・ジャクソンが担当していて、冒頭と末尾も独占していい味を出している。かなり右がかったテレビ司会者なのだけれど、アメリカには実際に存在しそうな感じもするから怖い。 
 それからオムニコープ社の社長をマイケル・キートンが演じていて、最高のヒーローは死んだヒーローであるとして、ロボコップを殺す側に回る悪役となっている。かつてティム・バートン版『バットマン』シリーズで、ダークヒーロー=バットマンを演じていたマイケル・キートンがそんな役回りになっているのがおもしろい。

 ポール・ヴァーホーヴェンは最近『ポール・ヴァーホーヴェン/トリック』という映画が公開されたり、いまだ現役で活躍中だ。『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』みたいなマンガチックなSF作品があるかと思えば、『ブラックブック』のようなリアリティのある作品もあり、なかなか多彩な人のようだ。
 最新作『トリック』は、本編は60分くらいの小品だが、その製作過程のドキュメントもプラスして1本の映画にして劇場公開されたもの。それほど毒気のある作品とも言えないのだが、登場する女優さんはみんなきれいだし、脱ぎっぷりもよくて楽しめた。