昨年大ヒットした日本映画。先月、DVDがレンタル開始となった。

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 大ヒットしたにも関わらず、特攻隊賛美などと言われ批判も多かった作品。「戦争」というのはテーマとして今でも論議を呼ぶ、なかなか難しいものなのだろうと思う。原作者自身もこんなことを言っているらしい。
「『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監督からは捏造となじられ、自虐思想の人たちからは、作者がネトウヨ認定される。まさに全方向から集中砲火」

 ぼく自身は原作を読んでいないが、映画を観て戦争や特攻隊が賛美されているとは思えなかった(微妙な部分はあるが)。日本文化論でよく言われる「空気の支配」に対する反抗者という意味で、宮部久蔵(岡田准一)の人物像は泣かせる部分も多かった。アホだけれど声のデカイやつの主張が通って、日本が間違った方向へと導かれたということがあるとすれば、彼の選択もやむを得ないような気もするからだ(もちろん味方を見捨てるような行動は批判されるだろうけれど)。
 ただ、いただけないのは原作者のほかの場所での政治的な発言。かなり偏った発言を繰り返していて、自分の本の信憑性すら下げてしまっているようにも思える。日本の再軍備を主張するような言動は、『永遠の0』という本にはそんなことが書かれていないとしても勘違いされることがオチだろうと思う。

 それとは別にして映画版のラストの描き方はひどいと思う。登場人物が走馬灯のように再登場し、さらに現代の街なかにいる佐伯健太郎(三浦春馬)の目の前を、祖父・宮部久蔵の操縦する零戦がかすめ飛んでいくという……。端的にダサかった。