サイの角のように 独りよがり映画論

映画について自分勝手な感想の備忘録。ネタバレもあり。 ほかのブログから引っ越してきました。

2016年12月

『母の恋人』 懐かしの顔だけれどちょっと気恥ずかしい

 ラブストーリーのシリーズ第2弾のなかの1本。

 主演の水島裕子は昔テレビで見たことのある顔。現在は50歳を超えているというからちょっとビックリ。

母の恋人

 居酒屋を営む小池涼子(水島裕子)は娘の美奈(佐々木心音)とのふたり暮らし。年頃の娘のことが心配でならない母・涼子は、美奈の留学希望を受け入れることができない。そんなとき美奈のボーイフレンドである北川幸太(菅原昌規)が涼子の居酒屋でバイトをすることになり……。

 幸太は最初は美奈と付き合っているわけだけれど、バイトしているうちに母親の涼子のことが好きになってしまうという展開。どちらにもベッドシーンが用意されているのだけれど、佐々木心音はなぜか必死になって胸を隠している。というのも後半で母親役の水島裕子のベッドシーンがあるからだろう。その前に『マリアの乳房』ではふんだんに披露している若い胸を見せないようにするという配慮が働いているらしい。といっても佐々木心音のおしりはとてもエロい。

 水島裕子の演技は正直とてもヘタなのだけれど、ベッドシーンは手馴れたもの。日本では熟年女性のラブシーンというのはあまり普段は見ないので、かえって新鮮なのかもしれない。熟女好きにはたまらないのかもしれないのだけれど、母親の裸を見るようで妙に気恥ずかしい感じもある。

 陽の光のもとで行われる水島裕子とのラブシーンでは、幸太を演じる男優のパンツがかなりモッコリとしているのが妙に気になる。やっぱり本気になってしまう瞬間があったのだろうか。


『誘惑は嵐の夜に』 母と娘の入れ替わりコメディ

誘惑は嵐の夜に

 ラブストーリーのシリーズ第2弾のなかの作品

 大ヒット中の『君の名は。』でも取り上げられている入れ替わりが題材となっているコメディ。ここで入れ替わるのは母と娘。母・佐和子を演じるのは高樹澪で、娘・康子は石川優実。入れ替わり方もじゃれあっているときに落雷があってというベタな設定なのがかえって笑える。

 このシリーズだからベッドシーンはもちろん見せ場となっているのだが、その役目は石川優実のほう。高樹澪は娘と身体が入れ替わってしまったあとに、鏡の前で下着姿となってその身体を確認するシーンがあるくらい。

 石川優実演じる康子のほうは何度かベッドシーンがあるのだが、中身が入れ替わってからは身体は康子でも中身は母親・佐和子という設定だから、中身の佐和子は若い肉体を利用してよく知りもしない男性とエッチをしてしまったりする。

 母親としてはあり得ない行動だとは思うのだけれど、基本はコメディだからそんなものだろう。若い身体を取り戻すことはそれなりに歳を取った女性としてはそれだけ重要なことだったのかもしれない。母親の身体になってしまった康子のほうは、夫(つまりは中身の娘にとっては父親)との関係が問題になったりするけれど、あまり変化はなかったようだし……。

 丸純子も脇役で顔を出していて、バーのママというちょっとケバい感じの役柄を見せている。


『ジムノペディに乱れる』 ロマンポルノ再び

 『世界の中心で、愛をさけぶ』『ピンクとグレー』行定勲監督による初のロマンポルノ作。「日活ロマンポルノ」リブートプロジェクトの1作。

ジムノペディ

 ロマンポルノに色々と制約があるのは知っていたのだけれど、「10分に1回絡みのシーンを作る」「7080分前後の上映時間」「全作品が同じ製作費」「撮影期間が1週間程度」という、かなり厳しい条件があったことまでは知らなかった。今回の『ジムノペディに乱れる』もそんな条件のもとで製作されたからだろうか、無理やりに絡みのシーンが挿入されてくるようでかえって苦労している感じがした。

 今ほどポルノが氾濫していなかった時代にはそうした条件が目玉となったのかもしれないけれど、今ではネットでいくらでもそんなものは転がっているわけで、絡みの部分が足かせになっているようにも思えた。

 

 芦那すみれ岡村いずみをはじめとする女優陣は皆さんきれいで、当然のことながら脱ぎっぷりもいい。絡みのシーンとなるたびにジムノペディが流れるという律儀な展開はだんだんと笑えてくる感じもするものの、劇場内に笑いが漏れることはなかった。主人公の映画監督・古谷慎二(板尾創路)が背負っているものはそれなりに重く、事故で入院中の妻のために金策に走ったりしつつ映画を撮ろうとしているわけだけれど、映像としては陰鬱な感じはほとんどない。

 日の光をふんだんに取り入れた撮影は行定監督らしい部分なのかもしれないけれど、わざわざ行定監督が参加する必要があったのかともちょっと思わないでもない。本当に撮りたかった脚本はなぜか却下されたようだし、あまり気が乗らなかったのだろうか。もともと行定監督のラブシーンってあまり印象にないのだけれど、威勢がよかった『GO』でも柴咲コウの初体験シーンはひどく凡庸だったと思うし、ロマンポルノという枠組みに合う人と合わない人がいるのかもしれない。


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