タランティーノが絶賛したイスラエル映画。6月3日にDVDが登場した。

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 ある日、少女が暴行を加えられた上に、首を切断された状態で発見される(直接の描写はないけれどかなりおぞましい犯行であることはわかる)。刑事のミッキは中学教師のドローンをあやしいとして自白を迫るが、ドローンはあくまで「何もしてない」と否認する。さらに被害者の父親が容疑者ドローンを狙って絡んでくる。

 ミッキはこっそり容疑者ドローンを締め上げて自白させようとするが、もっと用意周到な被害者の父親は辺鄙な場所にある一軒家にふたりを連れ込んで拷問を始める。父親にしてもミッキにしても、目的は被害者である少女の首を見つけることのはずだが、父親の拷問は自白を促すというよりは楽しんでいるみたいにも見える。かなりひどいことをやっているのに鼻歌交じりみたいな軽い印象。

 このあたりは拷問が大好きなタランティーノに合ったのかもしれない。『レザボア・ドッグス』では拷問の末に耳を切り落としたりもしているし……。さらには被害者の祖父まで登場して、イスラエル軍ゆずりの火責めを伝授したりもする(すべからく動物は火を嫌うから、人間にもこれが一番効果的だとか)。バーナーでドローンの肉を焼くのだが、こげた匂いがバーベキューみたいとはしゃいでいるという悪趣味さ。イスラエルという国がかなり血なまぐさいことをやってきたんだろうと推測させてちょっと怖い。

 オチはちょっとデキがよくない。誰がオオカミなのかといった謎解きも適当だし、色々と突っ込みどころは多い。その分、拷問ばかりが目立つ映画になってしまっているように思えた。アラブ人も登場するが、イスラエル人はアラブ人を見るとびびったりもする。自分たちも結構ひどいことをしているのに、それでもアラブ人は怖いらしい。もちろんこれは皮肉が交じっているのだろう。