海辺の小さな村にペ・ドゥナ演じる警察官ヨンナムが所長として赴任してくる。狭い村のなかで少女ドヒ(キム・セロン)がいじめを受け、家庭でも虐待を受けていることが明らかになる。このあたりの展開は同じ韓国映画の『トガニ』を思わせる。実話を元にしたという『トガニ』は本当に信じられないくらい酷い話だったけれど、こちらもなかなかきわどい作品になっている。

 ドヒは家庭で虐待を受けているけれど、その家族とは血がつながっていない。そんなわけでドヒには味方がまったくいないわけで、たまたま助けてくれたヨンナムは警察所長という権力の持ち主であるし、それに頼るのは当然だったかもしれない。家族から守るために自分の家にドヒをかくまうことにするヨンナムだが、彼女もまた問題を抱えている。

 

 ※ 以下、ネタバレあり!


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 中盤にヨンナムを訪ねてくる女性が現れる。当然観客としてはドヒの母親だろうと推測するのだけれど、実はその女性はヨンナムの元彼女ということが明らかになる。実はヨンナムは同性愛者でそのことが原因で田舎に左遷されてきたのだ。そんなわけでヨンナムはミネラルウォーターみたいに偽装した焼酎を手放すことができないくらいに病んでいる。

 レズビアンの女性が成長著しい中学生を囲っているということになると、その雰囲気もちょっと違ってくる。バスルームでふたりが裸になる場面はそれほど露出はないけれど、かなりきわどいシーンになっていると思う。だってレズビアンと胸が大きくなりかけの少女なのだから……。

 この映画はさらにドヒが単なるいじめられっ子ではなく、狡猾な企みを持つ危険な女へと変貌していくところを描いている。「虐待なんかさせてはいけない」とドヒをそちらの方向へと導いてしまったのはヨンナムなのかもしれないけれど、ドヒはちょっと怖いところもある。

 ドヒは演じているのは『アジョシ』でウォンビンと共演していたキム・セロンとのことで、あれから比べると大きくなったなあと感慨深い。そしてそれを見守るペ・ドゥナ『クラウドアトラス』『ジュピター』はいいところがなかったけれど、この映画では出ずっぱりで見どころ満載だと思う。あまり美人さんというわけではないのだけれど、妙に気になるところがある女優さんだ。