押井守監督の実写映画。

 主演はTOKYO TRIBEの清野菜名。

 7月に劇場公開され、今月DVDが登場した。

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 一応は学園ものみたいな感じで進む。この辺はスローモーションをこれみよがしに使うばかりで正直退屈。金子ノブアキの演じる先生は先生に見えないけれど、おもしろいのはそのあたりくらいだろうか。結局は最後の戦闘シーンがやりたかったんじゃないかと思う。というか極論すれば、最後の15分だけ見ればいいんじゃないかとも思う。今回は劇場ではなくDVDだったので、最後だけは繰り返して何度も見た。

 最後は学園にロシア風の戦闘部隊が乗り込んできて、それを天才のなれの果てとか呼ばれていた藍(清野菜名)がそれを一掃するのが一番の見せ場。清野菜名は『TOKYO TRIBE』でもその運動神経は証明済みだったわけだけれど、この映画では殺人術を学んでロシア兵たちをなぎ倒していく。

 ちょっと長めのスカートに自らスリットを入れて立ち回りをするものの、パンチラはまったくない。それよりも激しいアクションのほうを見てほしかったということなのかもしれない。『TOKYO TRIBE』では園子温の趣味で散々パンチラはやっていたわけだし……。

 

 複数で押し寄せるロシア兵に対し、たった独りの清野菜名はひとりを倒すとそれを壁として利用する。ナイフも使うのだが、その使い方が手首や足首などに切りつけていくという残虐さ。

 こうした戦闘術をどこで学んできたのかはよく知らないのだけれど、昔、リングスというプロレス団体に所属していたヴォルグ・ハンを思い出した。ヴォルグ・ハンはロシアのコマンド・サンボの使い手で、手首を取って相手を転がしたりする技を持っていて、この映画でも相手を壁として利用するあたりの身体の使い方なんかはコマンド・サンボっぽい動きに思えた。そのあたりの格闘ものが好きな人にはお薦め。