原作は『ヒミズ』『行け!稲中卓球部』などの古谷実。
監督は『銀の匙 Silver Spoon』『ばしゃ馬さんとビッグマウス』などの吉田恵輔。
前半のいささかのんびりしたラブコメから一気に転調する後半がとても恐ろしい。キャストたちはとても原作のイメージに合っていたと思う。マンガチックな顔立ちの濱田岳と佐津川愛美がアホっぽくいちゃつくのは可愛らしいし、そのカップルからはじき出されてしまうことになるキモイ男役のムロツヨシはおいしいところを持っていった。
とはいえこの映画の主人公は殺人鬼森田を演じた森田剛で、ジャニーズタレントがここまでやってもいいのだろうかという妙な心配をしてしまうほどだった。森田が演じるのは中学のときにいじめられ、みんなの前でオナニーをさせられたりした挙句に狂気に陥ってしまったという男。とにかく常軌を逸していて、手当たり次第に殺しはするはレイプするはで、完全に死刑は確定だからかえって恐いものがないという……。そんな男に狙われたから濱田と佐津川のカップルは大変なことになるのだが、最後はそんな森田にちょっと同情してしまうというところがミソだろうか。
佐津川愛美がとてもよかった。マンガのキャラはもっとマヌケなところがあったように記憶しているけれど、佐津川愛美のくりくりした目はマンガのイメージにあっているし、結構大胆な濡れ場も演じていてびっくりした。濱田とのベッドシーンではバストトップは一応無理やり隠してはいるけれど、バックの体位でやられたりして奮闘している(この体位が別のシーンとカットバックされているところが見どころとも言える)。
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