「ラブストーリーズ」のシリーズ第2弾のなかの1本。

 主演は丸純子

 監督は『メイクルーム』の森川圭

オトナの恋愛事情

 丸純子の今回の役柄はそれなりのキャリアウーマンだけれど、実は「白馬の王子様との恋愛」を夢見ているというちょっとイタい女性。男優陣には女性向けAVに出演しているという駿介(有馬芳彦)というカワイイ男の子と、プレイボーイ気取りの50代男性(冨家規政)。

 丸純子演じる山岸詩織は、売れ残ったアラフォーの生態よろしくマンションを購入して老後に備えている。それを当てにした姪っ子冴子(間宮夕貴)が居候して、たまに男を部屋に連れ込んだりもしている。詩織自身は男もおらずひとり寂しく女性向けAVなんかを見て、男優の駿介に恋をしたりしている。そんな詩織が急にふたりの男性との間で揺れ動くことになる。

 もちろん最初は王子様の駿介とのセックスを夢見ているわけだけれど、女優さんをいつも相手に仕事でセックスをしている駿介はおばさん相手に失望するかもしれないと詩織は踏み切れない。一方の加齢臭も気になる50代男性は気張っていたけれど、病気もあったりして自信喪失中。どちらが気楽にセックスできるかと言えば50代の男の方というのも頷ける。

 結局、詩織はどちらともベッドインしてしまう。ベッドシーンはとても対照的に描かれていて、詩織はロマンチックではないけれど賑やかで楽しいセックスの方を選ぶことになる。夢見がちだった詩織も多少はオトナの女性になったということかもしれない。

 コメディタッチの作品で丸純子のコメディエンヌとしての魅力が活きているとても楽しい映画だったと思う。もちろん脱ぎっぷりもよかった。それから相手役の男性陣も好対照で気が利いていたし、姪っ子役の間宮夕貴『甘い鞭』ではまだ子供っぽい印象だった)は若いのに妙に貫禄があってよかった。