サイの角のように 独りよがり映画論

映画について自分勝手な感想の備忘録。ネタバレもあり。 ほかのブログから引っ越してきました。

アマンダ・セイフライド

『ラブレース』 アマンダ・セイフライドが演じるポルノ女優の生涯

 『ディープ・スロート』というポルノ映画の主演女優リンダ・ラブレースについての映画。主演は『レ・ミゼラブル』『クロエ』などのアマンダ・セイフライド。ポルノ女優を演じるということもあってなかなかきわどいシーンもあるし、豊かなバストも惜しげもなく披露していて、エロい視点から見ても十二分に楽しめる作品。しかし、ぼくが観た映画館では観客には女性も多かったし、全体的に見れば女性の辛い人生を真摯に描いた作品だったと思う。
 ほかの出演陣はシャロン・ストーン、ジェームズ・フランコ、クロエ・セヴィニーなど。『ターミネーター2』のT‐1000役のロバート・パトリックもお父さん役で登場していて懐かしかった。

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※ ネタバレあり。

 『ディープ・スロート』というポルノ映画があることくらいは知っていたが、実際に観たことはないし、それが社会現象となっていたこともよくは知らなかったのだが、この映画ではそんな当時を知らない人が観てもわかるように作られている。『ディープ・スロート』はコメディタッチのポルノらしく、そこで披露されるリンダの舌技がすごかったということは周囲の驚きでわかる。
 『ラブレース』は二部構成のようになっている。前半はリンダがポルノ女優としてスターになる成功物語となっていて、70年代のポップミュージックに合わせ、リンダが勝ち得た名声を描く。ポルノ映画製作の胡散臭い感じの面々なんかを見ると『ブギーナイツ』のような雰囲気だが、そこから後半になると映画の雰囲気がガラリと変る。
 ポップミュージックは鳴りを潜め、クラシックが静かに流れ出し、場面は一度見たはずの結婚初夜のシーンまで戻っている。実は前半で描かれることは、世間的なリンダのイメージでしかなく、そこでは語られていない部分があり、後半ではそうした語られなかった部分が辿られていくのだ。
 前半を見るとリンダがポルノに出るのに際し、何の葛藤もないというのが不思議だったが、それは意図的なもので、世間的には易々とスターになったように見えているわけだが、その裏面では誰にも言えないことを抱えていたということが判明する。チラシのイメージのようなポップな映画かと思うと、結構ヘビーな題材なので驚くかもしれないけれど、とりあえずアマンダ・セイフライドは出ずっぱりだからアマンダファンはやはり見逃せない作品。



アマンダ・セイフライド主演 『ファインド・アウト』 オオカミ少女の意趣返し

 アマンダ・セイフライド主演のサスペンス映画。ほとんど独り舞台といった感じで常にアマンダが登場するものの、サービスカットは最初のカーテン越しのシャワーシーンくらい。それでも長い金髪を振り乱して走り回るアマンダの犯人探しものとして、それなりに楽しめる(あくまでもアマンダのファンであればということだが)。

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 アマンダ演じるジルは何者かに拉致監禁される。命からがら逃げ帰って警察に訴えるものの、証拠がまったくない状態で相手にされない。挙句の果てに、事件そのものが妄想だとしてジルは精神病院送りにされてしまう。ジルは妹モリーと同居することで病院から出ることができたのだが、今度はその妹が姿を消してしまう。ジルは警察に駆け込むが、結局警察はジルの言うことを信じない。ジルは自分の力でモリーを見つけ出さなければならない。

 ※ ネタバレあり

 この映画では、アメリカの森林公園内で犯人の男が少女たちを監禁して殺害していたことになっている。警察の捜索も及ばないほどの広大な公園なようだ。ちょっと日本では考えられないような気もするが……。たとえばポール・オースターの小説『ムーン・パレス』では、主人公が浮浪生活を送るセントラルパークでも、普段は人が入ってこないような場所があるように描かれていたから、もしかするとそんなこともあるのかもしれない。

 ジルは本当のことを言っても信じてもらえないことを知っているからか、妹の捜索に当たって次々に嘘を言ってのける。本当のことよりも嘘のほうがすんなりと話が通じるところがおもしろい。次第に嘘にも磨きがかかり、口を開けばなめらかに次の嘘が流れ出すようになる。
 この話は「オオカミ少年」の逆バージョンみたいなものだ。オオカミ少年の場合は、嘘ばかりついていた少年は、最後に本当のことを言うのだが村人は誰もそれを信じない(そして多分オオカミに食べられてしまう)。この『ファインド・アウト』の「オオカミ少女」は、常に本当のことを言っていたのに周囲はそれを誰も信じない。今度は少女がキレて本当のことを誰も信じないなら、嘘をついてやるとばかりに周囲に意趣返しをするのだ。ラストはなかなか小気味好い。



『CHLOE/クロエ』 アマンダ・セイフライド演じるファム・ファタール

 カナダの映画監督アトム・エゴヤンの作品。2003年の『恍惚』のリメイクとのこと。分類すればおそらくエロティック・サスペンスなんてジャンルに入りそうな作品。エゴヤンの映画は『エキゾチカ』がとても好きで、それ以降の作品もチェックしている。今回は遅ればせながらTSUTAYAで監督の名前を発見してレンタル。

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 『エキゾチカ』でもエロティックなシーンはあるのだが、『クロエ』でも冒頭からアマンダ・セイフライドの後姿からも垣間見られる豊かな胸にドキッとする。この映画はいわゆるファム・ファタールものであり、翻弄される側は大学教授である夫(リーアム・ニーソン)と産婦人科医の妻キャサリン(ジュリアン・ムーア)の夫婦である。主役は妻キャサリンのジュリアン・ムーアで、夫の浮気を疑って夫の素行を知るために高級娼婦であるクロエに仕事を頼むことから物語が始まる。

 「夫の浮気を疑う妻」という昼ドラみたいなテーマから、キャサリンとその夫を誘惑するクロエの女同士の共犯関係へと物語は展開していく。舞台は冬のトロントで、夫婦の住むオシャレな邸宅には清潔感があり、エゴヤン映画の妖しさはひかえめといった感じ。
 主役のジュリアン・ムーアは、夫の愛を失いかけた中年女性を脱ぎっぷりもよく演じているが、この映画での注目はタイトルロールのアマンダ・セイフライドだろう。いかにリーアム・ニーソンが硬派でも、あんな女性に言い寄られたら堪らない。アマンダ・セイフライドは西洋人形的な金髪碧眼のかわいらしいイメージなのかと思っていたが、『クロエ』では何度かベッドシーンもあり、素晴らしい肢体を拝ませてくれる(あくまでチラリとだが)。
 物語はクロエの異常性が明らかになるにつれ、サイコものの雰囲気を醸し出す。その後にひとひねり加えたオチもあってなかなか楽しませる。ジュリアン・ムーアは『キッズ・オールライト』でも、複雑な男女の関係に翻弄されていたわけだが……。ただ脚本が監督本人のものでないからか、エゴヤン作品としてはちょっと食い足りないか。



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