『マリアの乳房』『LAST LOVE/愛人』に続く、ラブストーリーズの1本。
主演にはNHK連続テレビ小説「まんてん」でヒロインを務めた宮地真緒、監督・脚本には『たまもの』のいまおかしんじ。ネームバリューとしてはこのシリーズのなかでも一番だけれど、『失恋殺人』と比べると宮地真緒の露出は控えめかもしれない(ギリギリの部分は死守しているから)。
その分のエロ担当(?)としては、穂花にその役割が与えられている。穂花は、以前、某テレビ番組でさんまが注目していると告白していた女優さん。脱がなければ気が強いけれどおしとやかと見えなくもないが、脱ぐと……。
ある日突然、妻のかおり(宮地真緒)を喪った浩二(金子昇)は、かおりが妊娠中で別の男がいたことも知る。かおりはなぜ浩二を裏切って不倫に走ったのか?
実は浩二には不倫の相手がいて、その相手・玲子(穂花)は浩二の子供を身ごもって、かおりのところに乗り込んでいたことも判明する。知らぬは男ばかりというわけだ。
一方で旦那に浮気をされたかおりは、たまたま小学校の同級生・中村(河合龍之介)と知り合う。中村は癌を患い、その死の恐怖から、かおりにすがってくるようになる。
自分の同級生がまもなく死ぬというときに、その人に「お前しかいない」とか懇願されたら、女性としてもあまり無碍に断ることはできないような気もする(男の願望かもしれないが)。そんなわけでかおりは中村に身体を許してしまい、次第に彼のことが好きになってしまう。
「神様はいると思いますか?」
玲子がかおりと会ったときに、かおりはそんな言葉を漏らしていた。かおりは神様に祈りを捧げ、中村の命を救ったということなのだろうと思う。「この人が助かるなら、わたし何でもします」という祈りは、神様に届き、神様はかおりの命と引き換えに中村にはしばしの猶予を与えた(しかし本人はまだそれに気がついていないらしい)。それにしても、かおりは中村の子供を身ごもっていたわけだから、かおりと一緒に子供も同時に死んでしまったわけで、皮肉な結末とも言えるかもしれない。
最後には浩二の前にかおりの幽霊が出現するが、湖の上のボートという舞台設定は、幽霊もボートもゆらゆらと揺れているわけで、幽霊が出現する場所として理にかなっていて非現実的な場面もすんなりと受け入れられた。
宮地真緒は先日のテレビ番組「有吉反省会」で、アニメキャラのパンツを履いているなどと告白していて、ちょっと迷走しているようにも感じられるのだが……。